J-ROCK音楽店

「恋は邪魔者」にも登場するビッグ・シュー
　1991年にアメリカでブエナ・ビスタから発売されてベストセラーになったビデオのＤＶＤ化。日本でもＮＨＫでこのベストの内容も含めて、ショウの選りすぐりが放映されたが、何故かわが国ではこのベスト自体のビデオ化はされなかった。

　ロック、ポピュラー、ジャズ、コメディ何でもござれのベスト・オブ・ベストである。ただいくら巧みな編集でも、見る側が多少せせこましく感じてしまうのは否めない。これ自体はショウそのものや編集者の責任ではなくて、２５年近く続いた名番組のエッセンスを２時間かそこらに凝縮するのが土台ムリなのであって、やむを得ないところだろう。ジョニー・カーソン・ショウのように３枚組のＤＶＤ(ビデオは４枚組)くらいに分ければ、おのずと番組の放映時に近い感じを少しは再現できるのだが。
　その分、このショウはロックやブロードウェイ、オペラ、クリスマスと別売で次々リリースされて来ているので、今後はポピュラーとジャズのものも是非出して欲しい。

　本ＤＶＤはエド・サリバン・ショウのエッセンスを万人向けに知らしめるという点では、大変貢献したビジュアル映像である。このシリーズは全てオール・リージョンなので、日本のＤＶＤプレーヤーで見れることも忘れずに明記しておこう。

私個人としては本ＤＶＤのハイライトは、エラ・フィッツジェラルドとサミー・ディビスjr.のデュオ、ジュディ・ガーランドの'I could go on singing`,バーバラ・ストレイザンドの'When the sun comes out`である。

77年春のツアーをつまみ食い
このCDはBMG/RCAがブート盤対策として未発表のエルヴィスの音源ばかりをリリースする為に設立したFollow That Dreamというレーベルから発売されています。

レコード会社も彼に関する権利を管理するEPEという会社もキング・オヴ・ロックンロールであるエルヴィスのイメージを崩したくないということで、77年の録音・録画された素材をできるだけ出さない方針をとっているのですが、熱心なファンからの要望にこたえる形で、この77年3月、4月のコンサートツアーから比較的良い出来の録音を一回分のコンサートのような感じにまとめたCDです。
選曲も「If you love me」「Fairytale」「Blue Christmas」等、彼のコンサート時代後期においてよく歌われたものが多く、当時の雰囲気というものが伝わりやすいのではないかと思います。また「If you love me」「Little darlin'」「Unchained melody」の3曲は77年発売のアルバム「Moody Blue」に収録されたもののアンダブドヴァージョンです。（「If you love me」に関しては異論もありますが。）特に「Unchained melody」ではエルヴィス自らがピアノを弾き、バックの演奏も最低限にとどめられて、これまで過剰なオーヴァーダブの影に隠され続けていた、エルヴィスの姿が目に浮かんでくるような感じです。また、77年では珍しい「Lawdy Miss Clawdy」も収録されています。出だしで「Well,」とシャウトするのは50年代を彷彿とさせます。
いつものエンディング曲「好きにならずにいられない」ではなく、自分の死を予感して歌ったと言われる「My way」で締めくくられているのがなんとも言えず悲しいですが、エルヴィスを深く聴く人にはマストアイテムかと思います。
なんと言っても
エルヴィスはエルヴィスです。
声の調子は、ハワイ公演〜ライヴ・イン・メンフィスの頃と比べると確かに悪いのですが、エルヴィスプレスリーの真の姿がそこにあると思います。生涯最後のライヴ・ツアーを満喫できる作品です。

ファン & コレクター 向き
フロイドのアルバムを全て持っている人も買う価値有り。セット内容のリマスタリングされた各アルバムは新たな音の発見をさせてくれる筈。コレクターズアイテムとしても同梱されているブックレットは内容が濃くファンなら必見。
ギルモアの選盤だから、これでフロイドが分かる事は無い
９枚の選定基準がギルモアの関わった盤を中心に集めたものであるため、フロイドを聴くのに欠かせないファーストアルバムやモア、ウマグマが無い。

　アルバム単位で選んでくれたので、抜けてしまったアルバムを買い足せば良いと思うかもしれないが、だったら、ボックスセットにする必要は無い。特に安いわけでもなく、別々に購入した方が安く済むくらいなので、ブックレットや初期のシングル曲をどうしても欲しい人以外は手を出す必要はない。今やＳＡＣＤ版まで出てきては、立つ瀬がない。せめて別バージョンとか未発表曲や初期の頃の未発表ライブでもいれてくれれば触手が伸びるのだが…