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[ 単行本 ]
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テンペスト 上 若夏の巻
・池上 永一
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-08-28
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 779円〜
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・池上 永一
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カスタマー平均評価: 3.5
琉球が舞台って 時代物で琉球が舞台っていうのが珍しく、ちょっとファンタジックな感じで面白く読めました。男装してて女だってバレずにいるとか、宦官のキャラクター設定がマンガ的で小説としては無理あるんじゃないかと思うけど、あんまり気にしなければ楽しい物語じゃないかと思います。おかげで、沖縄について海だけじゃなく歴史にも興味を持ちました。 期待はずれ 「本屋大賞」とか「桁外れの面白さ!」とかに踊らされ、さらに長編ということで読んでみたのですが
はっきり言って期待外れでした。
全体的に軽すぎるし、なんで小説で漫画のようなずっこけが必要なのかがわかりません。
上巻はまだしも、下巻に入るとくだらないギャグとかが多すぎて
途中で読むのをやめたくなりました。もったいないので読みましたけれど。 沖縄へ行きたくなった! 過去に二度行ったことがある沖縄。それでも首里城の深い歴史にまで思いを馳せることは正直ありませんでした。爽やかな読後感を得た後、改めて首里城の構図や歴史を興味深く調べている自分がいました。真鶴及び寧温の半生と共に琉球王朝最後を描いた素晴らしい作品だと思います。 誤解するなかれ。 まず、他の方のレビューを読んでいて思ったのですが、池上永一さんは、シャングリ・ラ以降自身で「直木賞受賞コルセットを外した」とおっしゃっています。
同賞の候補にもなった風車祭は文学的な部分とファンタジーが融合しておりますが、シャングリ・ラで彼はつきぬけたというか、今まで以上にアニメ的な表現で書いておられます。
なので、この作家に「文学」を求めては読めないと思います。
ある程度ライトノベル的なものに耐性のある方でないと。
作品自体は非常に面白いものでした。シャングリ・ラでついに東京進出か、と思えばまた彼の原点である沖縄にかえってくださいました。
彼の描く沖縄は極彩色で、随所に使われるウチナーグチもともなって、とても魅力的。
琉球王朝の歴史をベースに、歴史大河でなく、エンターテイメントに見事に仕上げられたと思います。
池上永一ファンは買って損はない作品だと思います。
しかし初めての方にはお勧めできません。せめてシャングリ・ラかぼくのキャノンなどを図書館などで借りて読んでみて自分に向いているかどうか検討して下さい。 確かに漫画化が良さそう 正統派の歴史系ファンタジーを期待すると肩透かしをくらうので注意。他のレビューでもあるように、確かに漫画化が一番合う作品だと思います。むしろ最初から漫画で出して欲しかった。
素早い物語の展開、登場人物の多種多様さ、舞台の色鮮やかさは、漫画であれば、物語の荒唐無稽さや文章のつたなさ、人物造形の薄さを補ってくれるでしょう。琉球が舞台の小説でこれほど話題になったのは初めて見たので、このままフェードアウトせずに漫画で再挑戦してほしいです。
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[ 単行本 ]
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テンペスト 下 花風の巻
・池上 永一
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-08-28
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 678円〜
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・池上 永一
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カスタマー平均評価: 4
華麗に嵐は去りぬ 読む人読む人それぞれに、様々な感慨を呼び起こす巨編です。
濃い人間ドラマが展開し、最後には余韻を残したエンドが待っ
ています。まるで絵巻物を読み終えたような気持ちになりまし
た。
主人公と同じ女性としては、もう少し真鶴に幸せになってもら
いたかったです。余りにも、過酷な試練が多すぎて、気の毒に
思いました。
ですが、花も嵐も踏み越えて、逞しく生き抜く女と男と子ども
がいて、南の美しい国・琉球は姿を変えて続いてゆくわけで…。
虚実を交えた話の作りが秀逸な、読み応えのある物語です。
琉球の風になれ 話題になっていたので読んで見ました。
ストーリーは、琉球王朝末期の沖縄を舞台に、類まれな美貌と才能を持つ女性が性別を偽り、官僚となって活躍するも、ある事件が元で失脚。宮廷を追放されるも、今度は王の側室として舞い戻る・・。という波乱万丈のストーリー。
こう書くと重厚な歴史物語を思い浮かべるかもしれませんが、中身はいたってライトなノリで、エンターテイメント性にあふれた小説です。
琉球という独特の文化を持つ舞台設定、ジェットコースターのようなストーリー、エキセントリックな登場人物など、楽しんで読むことができました。
ただ、長い。そして、多い。
上下巻に詰め込めるだけ詰め込まれた情報量。そして、キャラクター。
これにはちょっとおなかがいっぱいになってしまいました。
また、個性豊かな脇役に主人公が埋もれてしまった印象も受けました。
もう少しコンパクトに、主人公を際立たせて欲しかったような気もします。
連載ものだからしかたないのかもしれませんが・・・。
全体的に辛口になりましたが、おもしろい小説であることは確か。
ただ、上に書いたように非常に長く、情報量が多く、アクの強い小説であるので、自分に合うかどうか、上巻だけ買って試してみるのが賢い選択かもしれません。
沖縄のチャングム、男装の令嬢版 まじめにじっくり読むには文体に違和感があり、一人一人のキャラクターはあまりにもいかにもという感じで造形されていて、奥の深い感じはやはりしない。大きなストーリーラインは韓国歴史ドラマのチャングムと(意図的とも思えるくらい)そっくりなのだが、あちらが安定した時代背景なのに対し、こちらは王朝の滅亡直前を背景にしているのに、こんなに同じで良いのか、違和感を感じる。
特に問題を感じるのは、主人公が生まれたときからずっと持っているはずの超常現象的な力がまるで用いられず、そのために引かれたと思われる伏線がすべて無駄になってしまっていること。また古典的教養が重んじられる科挙の時代から、欧米列強の影響力のもと科学が力を振るうようになっても、官僚に求められるものがほとんど変わったように描かれていないのも気になる。
とはいえ、主人公はとても魅力的で、逆境に負けずどこまでも理想をつらぬこうとする様(これはチャングムとそっくりだが)はさわやかだし、女としての自分と性別分業がはっきりした男の世界に入り込んでしまった自分との葛藤には、多くの人は共感できるだろう。
特に中国からの宦官の性的誘惑の場面など、不自然に「伝奇ロマン」的な部分は読みづらく、読み飛ばしたくなるところも多々あったとはいえ、最後まで楽しく読めた。
華麗な琉球王国を垣間見て。 あんまり歴史物は得意ではないのですが、この本は読みやすかったです。
上下のボリュームはありますが、だれもがきっとその厚みはあまり感じず、
あっという間に読み終えてしまうと思います。
主要な登場人物の絵が付いている装丁の勝利だと思うのですが、
カラフルな琉球の様子が目に浮かび、
とても楽しく最後まで読めました。
上巻はまさにジェットコースター・ストーリーで、
「なんと!」という終わりでした。
そしてとても期待して開いた下巻でしたが、
一人二役の「真鶴」と「孫寧温」があまりにも簡単に変装するので、
少しリアリティにかけた感があり、残念でした。
そこがマイナス点で評価を☆4つとしました。
ただ、一人一人のキャラクター分けが素晴らしく、
登場人物がみなキラキラ輝いて見えました。
この「テンペスト」が、突出した作品であることは間違いないです。
ラストは美しく、胸に迫るものがありました。
この作品を一言で言うなら、「ポップな歴史小説」ですかね。
宝塚向きの題材かも!と思いました。
見事、大団円! 宦官として王宮に入った寧温の八面六臂の活躍を描いた上巻に対して、下巻はその表紙の色、紅型の赤の示す通り真鶴の運命を描いている。
圧巻なのは最終章である。琉球王国の滅亡は誰もが知るところだが、それを悲劇に終わらせないところがこの物語の優れた点である。
国の終わりとともに身を投げた登場人物たちは、まるで沖縄戦で自決した人たちの心を代弁し、魂までも浄化したような錯覚に陥る。
琉球の死は、日本にとってもウチナンチュにとっても意味ある死として現代までつながっていることを、陰にも陽にも訴えている。
実際の歴史をもとに突飛なフィクションを融合させた本書には読み終わってもなお、もっとこの世界に浸っていたいと思わせる中毒性がある。
間違いなく池上永一の代表作と言える。
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[ 文庫 ]
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テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)
・ウィリアム シェイクスピア ・William Shakespeare ・松岡 和子
【筑摩書房】
発売日: 2000-06
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 299円〜
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・ウィリアム シェイクスピア ・William Shakespeare ・松岡 和子
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カスタマー平均評価: 5
復讐に燃える父親は最高の俗物、娘はおっとりのお嬢様 身分の高い人間が魔女について魔法を身につけるという話はあまりないと思う。普通は王にはなれない立場の人間が力を手に入れるために魔法を身につけて、世界を制覇しようとするような外に向かっていく物語が多い。この作品でも、流された身の王が復権と復讐のために魔法を身につけるのだが、復讐の仕方がなんかせこい。孤島に誘い込んでゆっくりといたぶるというのは大人げないとも言える。しかもシェイクスピア作品の例に漏れず言動は罵詈雑言、極めて俗物なのである。それを取り巻く魔法遣いの弟子や仇敵達も良い勝負の下品さが全開で、復讐譚の人情話の思い入れがなかなか湧いてこない。
芝居を見物していたのは庶民達だったのか、支配者階級もいたのか分からないが、どちらの立場で見ても爆笑であったことは想像に難くない。しかも物見高い見物人をも「乞食には施さないが、死んだインディアンの見物には金を払う奴ら」と揶揄してしまうところは人気劇作家であったシェイクスピアの真骨頂と言えるのではないだろうか。
シェイクスピア単独執筆最終作品 訳者の松岡さんも書いている通り、この作品の主人公プロスペローはシェイクスピア自身であると考えられます。
プロスペローはこの話の中で様々な魔法を使い、復讐を果たします。そして復讐ができたとき、彼は魔法を捨てます。
シェイクスピアはこの作品で執筆活動を終えたのであり、プロスペロー=シェイクスピアであると考えられて不思議ではありません。
この作品は、歴史上屈指の劇作家であるシェイクスピア流の引退方法であるといえます。
そのような視点で読めば一度読んだことがあってもまた違って読めるのではないでしょうか?
文学に革命を起こした彼の最終作品を楽しんでください。
訳者は色々な意見を出しているので、訳者はプロスペロー=シェイクスピアと断言しているのではないのでその点はご了承ください。
詳しくは文末の訳者あとがきを参照してください。
また、この作品の後も、シェイクスピアは協同で作品を出しているので完全な最終作品ではありません。 (*'゚д゚)? オススメσ(・∀・) ピアノをやってる人は必ず弾くベートーベンの『テンペスト』の曲のモデルとなった話です。
これを読んでイメージをわかせ、ピアノのコンサートで良い成績を頂く事ができました。今年のコンクールの課題曲にもなっているので是非是非読んでみるべし!!
もちろんとてもいい話なのでピアノをやっている方だけではなく、やっていないかたまでお楽しみいただけると思います。そしてこの本を読んで興味のわいた方はピアノ曲の方も聴いてみてください!!!!!本当にオススメできます。 シェークスピアの最高傑作? シェークスピア単独で書いた最後の作品、そしてもっとも謎めいた。 『テンペスト』は、さまざまな解読を生み、さまざまな謎を生んできた嵐のような作品です。でも、脅えることはない。松岡和子さんの明快な翻訳は、最後までテンポを落とすことなく、あなたを大団円へとつれていってくれるでしょう。失われた世界は、最後にはきっと恢復されるはず、そんな願いがあるいはシェークスピアの祈願だったのかもしれません。冬の厳しい寒さのなかの一筋の陽光のような、謎めいた「嵐」をどうぞあなたの本棚に!
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[ 新書 ]
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テンペスト シェイクスピア全集 〔36〕 白水Uブックス
・ウィリアム・シェイクスピア
【白水社】
発売日: 1983-01
参考価格: 725 円(税込)
販売価格: 725 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 167円〜
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・ウィリアム・シェイクスピア
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カスタマー平均評価: 4
晩年のプロブレマティックス その生涯に37編の作品を残した大シェークスピアの作品中問題劇と扱われている作品がいくつかある。本作もそのひとつ。ちょっとありえないような精励が魔法を使って勧善懲悪。最後に登場人物から観客への長い独白がある。劇壇を引いて余生を送ろうとしたシェークスピアの意思表明とも取れますね。
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[ 文庫 ]
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シャングリ・ラ 上 (角川文庫)
・池上 永一
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-10-25
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 315円〜
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・池上 永一
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カスタマー平均評価: 3
日本には東京しかないのか 設定がとにかく雑の一言。東京しか描いていないが、日本には東京しか人が暮らしていないのかって、不愉快になる。経済炭素だかなんだか知らないが、マーケット描写は鼻につくし。
架空の都市、それもこの世以外のとぎ話であれば、まだしも、実際の世界を舞台にしたのは
興ざめでした。ただただ分厚い作品です。買ったからには勿体無いので完読するしかないというのが正直なところ。 設定はいいんだけどな・・・ 正直表紙にだまされた感があります。だってブリューゲルのバベルの塔ですよ。一般小説の棚にあって30過ぎのオッサンが買ってしまったので「んーー、思ってたのと何か違うぞ」というのが正直なところです。
表紙と書店でパラパラと読んだ感じで骨のある近未来小説を期待していたのですが…。
経済炭素とかその辺の設定は昨今の事情を考えるとリアリティがあって面白いのですが、登場人物がアニメチック過ぎてちょっとなんだかなぁ・・・という感想です。調べたらNewTypeで連載してたんですね。なんとなく納得。素直に漫画かアニメ、もしくはライトノベルとして出したほうが良かったのではと思います。
直前に新田次郎とか渋いのを読んでたんでギャップがありすぎでした。 おもしろかった・・・けど
上刊から読み始めて、気づいた寝る時間を削って読んでしまっていました。
おそらくしっかりと練られていたであろう設定、そしてスピード感、登場人物の魅力等もあり、本当に面白かった。
ただ、やはり読んでいて思ったのは「ライトノベルっぽさ」でした。なんだか「先にアニメがあってそれを文章化した」ような感覚を得ました。展開や登場人物の会話や性格も、読後としてはかなりアニメ色の強いものでした。
まぁでも楽しい時間をすごせたのは確かなので買ってよかったと思っています。
追記です。他の方のレビューにもありましたが、この内容とこの重厚な表紙絵は合いませんね(苦笑) 私は表紙から想像してた文章とぜんぜん違うものが中にあって、少しびっくりしてしまいました。 不死身かよっ! アクションシーンとかはいいんですけどね、登場人物達の生命力が異様に強いんですよ最後の最後でも…………まぁ、1回2回はいいんですが、3回目くらいで『不死身かよっ!』ってなりました。ドンデン返しはいいんですけどねぇ……あとなんか理不尽な出来事が多いと思いましたねアクションとか、《驚愕の》ドンデン返しを望むなら、本物の不死身が登場する成田良吾の『バッカーノ!』をオススメしますねでは、有り難うごさいました。 スニーカーで出した方が・・・ 角川文庫だと言うことで、あまりに物理法則を無視しまくった世界設定に違和感を感じてしまいますが、ライトノベルとしてスニーカー文庫あたりで出ていれば、もっと高い評価をつけたと思います。
戦車を切っても自分の所に戻ってくるブーメランなんか、魔法アイテムにした方がもう少し説得力が出たんじゃないでしょうか。
説明無しで魔法が使われる異色のライトノベルだと思って読めば、ストーリー展開はテンポがあって楽しめます。
科学的な常識があって、それを頭から締め出せない人にはオススメしません。
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[ 楽譜 ]
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新・ベートーベンピアノ名曲選 <2> ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」他。
・デプロ
【デプロ】
発売日: 2005-04-12
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 1,050 円(税込)
Amazonポイント: 10 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
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・デプロ
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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風車祭(カジマヤー) (文春文庫)
・池上 永一
【文藝春秋】
発売日: 2001-08
参考価格: 1,180 円(税込)
販売価格: 1,180 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 588円〜
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・池上 永一
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カスタマー平均評価: 5
「え? もう終わりなの?」 主人公が男で、ヒロインがたぶん美女で、ヒロインのお供が豚で、ばあさんがしゃしゃり出てくる小説。
これだけでは魅力は伝わらない。
この小説には「沖縄」がぎっしり詰まっている。って……、
……ごめんなさい。沖縄一度も行ったことありません。
でも、いやしかし、「沖縄」をこの手で触れた気分になれます。
物語もおもしろいけど、沖縄の文化、歴史、気候などの描写が素晴らしく描かれていて、知識だけは蘊蓄ウンチクたまっていく。
印象に残っている美しいシーンは、女の人が民族衣装(?)を着て海のそばにいるところ。
読む前は、「え、文庫でこの値段?」「え、この厚さ?」と躊躇してしまうかもしれませんし、最初の頃はまだまだ終わらないなあと思って読み進めることと思いますが、最後に多くの読者はこう思うはずだ。
「え? もう終わりなの?」
これから梅雨を超えて夏が始まる。だから、夏が終わるまでにこれを読んでしまおうよ。 八重山の魅力たっぷり?青春の香りが海風にのって 沖縄八重山諸島、石垣島の魅力がとっても色鮮やかに描かれている。97歳を迎えるファンキーなおばぁ、青くも瑞々しい島の高校生、琉球王朝の香りを残す美女の幽霊(?)、そしておちゃめで一途な豚の妖怪。彼/彼女らが中心となって、神々が宿る南の島を舞台に、初恋のせつなさ、祭りの興奮、豊穣の喜び、自然への畏怖、そして世代を越えて受け継がれる知恵への畏敬、などなど普段なかなか感じられなくった感情が、海や森に優しく包まれた石垣島の1年間の移り変わりとともに実に綺麗に、活き活きと、そして面白く物語られている。700ページを越える大作であるが、どんどんその物語の中に引き込まれていき、あっという間に「1年間」が終わってしまう。物語が終わってしまって残念だが、心には爽やかな海風が吹き渡り、人間と自然が持つ強く優しい気持ちが温かく感じられるような、そんな読後感でいっぱいになる。
さすが池上! 突き抜けた明るさが好き、日本版マジックリアリズム。
この人の作品は登場人物が生き生きしていて、イイ。
島の風土と人物と変な世界観が合ってて読み終える頃には、
もう自分の家に帰らないとか…。
と、島に遊びに来ている妙な錯覚を感じてしまう。
この島に住みたい。 風車祭 本を読んで涙を流したのは、この本が初めてでした。沖縄の方言が飛び交う会話、肉体のないマブイ(魂)だけの少女ピシャーマに恋をした武志。読んでいるうちに自分も沖縄の島人だと思えてきてしまってページがどんどん減っていくのがとても寂しく思えた。ちなみに豚のために涙を流したのもこれが初めてだ。 登場人物たちが愛おしくなりました 武志にフジのオバァにピシャーマ。 睦子と郁子の姉妹に、チーチーマーチュー、ターチーマーチュー兄弟。 そして、六本足の豚のギーギー。 彼ら登場人物たちが、とても愛おしく思えてくる物語でした。石垣島を舞台にした、天衣無縫、自由闊達な空気が満ちあふれている物語。 他の方も言っていらっしゃいましたが、文庫で750頁あまりの話の終わりに 近づくに連れて、いついつまでもこの物語の中に浸っていたくなりました。 沖縄の海の匂い、風の香りが、行間から立ち上ってくるような話でした。 気持ちがからりと晴れて、元気が湧いてくるような物語でした。 だからよー。 石垣島にいっぺん行ってみたくなる、しばらく島で過ごしてみたくなる、 デージ面白いそんな話だったさぁ。 沖縄の夏、清々しくて心地よい物語を感じてみたい方には、 ぜひお薦めしたい作品ですね。 話の中にどっぷり浸かることができたここ数日間をお祝いしたい、 そんな気持ちです。
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[ 単行本 ]
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テンペスト
・エメ・セゼール
【インスクリプト】
発売日: 2007-01
参考価格: 3,308 円(税込)
販売価格: 3,308 円(税込)
Amazonポイント: 33 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 418円〜
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・エメ・セゼール
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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ジョーカー・ゲーム
・柳 広司
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-08-29
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
Amazonポイント: 15 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 515円〜
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・柳 広司
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カスタマー平均評価: 4
思ったより 背景とかを見てちょっとめんどくさそう、と思いましたが、簡単でした。短編であっさり真実判明するので、ストレスたまらずあっさり読めます。通勤中に読むのに適してるタイプだと思ったので文庫化まて待てばよかったな?。 中高生におすすめ 2009本屋大賞第3位、このミステリーがスゴイ!第2位、第62回日本推理作家協会賞受賞!
これらに惹かれて買ってみましたが、全てが幼稚に見えました。
作者の自虐史観も42という年齢にしては惨い。
トリックもプロットも言葉選びも特段優れているとも思えない。
私が中高生の時読んでいたら、満足していたと思います。 シリーズ化、希望します。 戦時中(この単語も古いのか?)の世界をもとにした話なので難しいのかなと躊躇していたのですが、読み出すとスラスラ読めました。一話完結の5話収録されていて一話大体50ページ、一時間程度。TVドラマで言うと、一話あたりの内容が、1時間か2時間ドラマくらいです。戦時中はゾルゲというスパイも実際に暗躍していたので、これは面白そうだと購入しました。話が短い分、読み始めたら頭の中の記憶があるうちに事件が解決します。なんとなく勘で黒幕がわかったりもしますが、謎解きというよりも、この戦時中の雰囲気を上手く表現していて、どちらかというとその雰囲気にドップリ浸かる事の方が心地よかったです。飛崎君はどうなったのでしょうか?最前線に移動になったようですが、多分、激戦区中の激戦区に送り込まれたのでしょう。読んだ後になんともいえない余韻が残りました。 戦中のありそうな話 日本にも本当にあったのかと思わせるスパイ小説。
ちょっと近代歴史に興味を持っている人には楽しめる作品なのではないか。
小難しくなく、すぐ読めてしまう。
あまり後味が残らない作品かと。 悪くはないですが、イマイチのめり込めませんでした 諜報員養成学校、通称「D機関」で養成されたスパイ達のミッションが、いわゆる「連作短編」という形で全5作収録されています。
中でも最初の「ジョーカー・ゲーム」では、実際のミッションのみならず、そのD機関に参謀本部から出向させられた佐久間の目を通し、D機関のあらまし、訓練の様子が描かれています。
そして佐久間の目に映るスパイ達は、佐久間のように「名誉」や「愛国心」のために働くわけではなく、彼らにあるのは「自分ならこの程度のことはできなければならない」という自尊心だけ。この「自分なら?できなければならない」という言葉は全5作の中で数回出てきますので、頭に留めて読まれるとよろしいかと思います。
ただ、私個人的な感想としては、残念ながら全5作のストーリーの作りに関し、話の展開、結末と悪くはないのですがイマイチのめりこめませんでした。
徹底したエンターティメントスパイ小説だと思うのですが、ハラハラドキドキ感がなぜか気薄。そして、主要人物にも心をつかまれるものがなく、読んでいてどうしても注意力が散漫になってしまうんですよ(もともと面白い小説だと周囲が見えなくなるほどのめり込む人間なんですが…)。
唯一、存在感らしきものを感じたのはD機関の発案者、結城中佐なのですが、それも「もうちょっと人物像を詳細に描き、読むだけで身震いするほどのカリスマ性を感じさせてほしかった」と思いました。
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[ 単行本 ]
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告白
・湊 かなえ
【双葉社】
発売日: 2008-08-05
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 626円〜
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・湊 かなえ
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カスタマー平均評価: 3.5
あまりに稚拙… これ面白いですか? 読後感が悪くても、作品の完成度が高ければ評価に値しますが、その読後感でさえ、薄っぺらな嫌悪感すら感じませんでした。 登場人物の独白で物語が進行していく手法だって、目新しくありません。 救いのない読後感であっても桐野夏生著「グロテスク」や、かなり前の作品になりますが貴志氏の「黒い家」、天童氏の「家族狩り」等々、その筆力により人間の心の深い闇、悪意を見事に描ききったクオリティの高い作品から比べると…なんの読後感も得られませんでした。時間の無駄でした。 組立の妙技 第1章だけでも、それなりに面白い展開を楽しめます。
で、その後のことも追加して書かれたようです。で、その組み立て方がなかなかイケるなと思いました。
物語の展開を目で味わえるといった一冊に仕上がっていると思うのです。
オチも効いているように思います。 無神経小説の代表格 日本の書店員は何を考えているんだ
このような本がなぜ本屋大賞にふさわしいと思うのか
そしてなぜ面白いと感じるのか、訳が分からない
話はまずホームルームから始まる
一人の女性教師がずっとしゃべり倒すというだけ。
だから書こうと思えば誰でもかける
話の展開は山田悠介のようにガキの下品な妄想で、
ミステリー性からも物語性からもセンスを感じない
これが小説推理新人賞を取れたのだから、運というのはすごい
選考委員は何を考えているのだろうか?
全く意味が分からない
話が進むにつれ、作者のメッキがはがれてくる
過去あった事件を引き合わせたような展開、
キャラクター造形の単純さ、文章力の薄さ、
そこまでなら許せた
ただの非力な妄想作家がいたものだと思って大目に見ておくはずだった
問題は作者の無神経で短絡な意見である
少なくとも小説には作家の性格がうつる
特に社会問題を取り上げるのならなおさらだ
この作者の意見は腐っている
エイズの取り上げ方にしても、家族の取り扱いにしてもそうだ
しかも、それが効果として使われているわけではない。
冒涜であり、下品であり、暴力である。
短絡で、あまりにも無神経だ
軽蔑にあたいする
最後の展開、驚かされたひとは多かったかもしれない
だが、それに驚いた人間は、まだまだ本読みとして未熟だ
無神経な小説は後世には残らない
無駄な時間だった
ただむかついただけだった
だが一番むかついたといえば、この本が売れた世の中と
本屋大賞授賞式で恍惚とした表情で立っていた、
「私は平和な人間なので、平和でない世界を書きたい」
と興味本位で語る、無神経な湊かなえ氏本人に対してかも知れない
最後に一言
興味本位で首を突っ込んで知った風な口をきくな。 優れた心理描写 皆さんの書くような「不快」、「陰鬱」とした雰囲気、
確かに感じましたが、これが「人間」なのだと思いました。
とてもリアルな心理描写には見事としか言いようがありません。
作者自身、何かこういった体験をされたのかと思う位、
それぞれの心理描写は、人間の弱さや脆さを実にリアルに描かれていると思います。
それも、語り手が変わる度に、その人物の心情が理解でき、
きっと同じ生い立ちや状況になったら、人間とはそのような行動をとるものなのかもしれない。と、納得してしまうほどの説得力もありました。
一つの事件を、あらゆる角度、あらゆる人物からの視点で描かれていることで、
正義のみにスポットを当てたような偏った理由だけになっていない点から、
公平且つ、偏りのない物語となっている構成、
事件は起こるべくして起こってしまったというような、事件の裏の裏までもが明らかにされている点にもとても納得がいきました。
でも惜しいのは、強引なラストだったと思います。
ラスト部分のみ「リアルさ」を余り感じられず、ストーリー的にはこの結果がきっと一番納得できるのですが、「所詮は物語」とちょっと冷めてしまうようなラストへの運び方になっていたように感じられました。 なぜ本屋大賞に??? うーん・・・著者は「元」教師である。
で、今は主婦である。
でフィクションだが、主人公は教師で男子生徒へ復讐すると言う内容。
「現役」教師ならまず書けなかっただろうなあ、と言うか
教師の腹の中はこんなのかと思うとゾッとする。
読売新聞の書評でも書いてあったけど、「本屋大賞」ですが、
全国の書店員さんは
これのどこに共感したのだろうと思う。
太宰の「人間失格」的に読む腹づもりじゃないときついかなあ。
と言うか間違って子どもに読ませたらダメな小説だと思う。
この感情嗜好は女性的なのかもしれない。
としても、怨恨をコメディ要素抜きで書いてしまうと不気味だね。
本屋大賞の基準は何なんだろう。彼らは誰かを殺したいんだろうか・・・
復讐劇と言えば
映画「スリーパーズ」を思い出すが、そこまで後味の悪いものではなかった。
この差は何かちょっと分からないが読後感は悪い。
これが好きな読者は仲の悪い誰か、あるいは志向の違う組織や個人をイメージし
「告白」を読む中で復讐を果たしてるのかな?と思った。
あくまで自分でできないから本の中で代わりにやってもらう・・
と言うような雰囲気を感じてしまった。
しかしその「気持ち悪さ」を感じられるだけの筆力があることも確か。
無風な生活に穴を開ける気持ちで読むのも手。
平穏な年末などにチャレンジするのもよろしい。
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