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[ 文庫 ]
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蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
・浅田 次郎
【講談社】
発売日: 2004-10-15
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 4.5
近代中国をここまで面白く書けるとは。 高校時代,世界史で中国近代史も少しだけやったけど,教科書に「李鴻章」とか「袁世凱」の名前がゴチック体太字になってるので,興味ないけど覚えた。
つまらなかったので,その後,忘れた。
そんな「李鴻章」や「袁世凱」を激動時代に生きる血の通った人物として
生き生きと描き出す浅田次郎さんの筆力はさすがでした。
「面白い」という意味では文句なく,4巻一気に読みました。
マジメに書いているとはいえ,浅田節は健在で,会話はテンポ良く,時折ひょうきんですらあります。
西太后の権力に対する執着ぶりを慈悲と解釈するのは,
ちょっと無理があったように思いますが,
全体が面白いので,評価を損ねるほどではありませんでした。
個人的には,主人公春児の妹「玲玲」がよかったです。
春児のように出世階段を登っていくわけではないので,
大人になっても,遠い世界の人物として描かれず,
常に身近な存在として現実感をもって登場します。
ひたむきでチャーミングな名脇役でした。
フィクションながら,ストーリーの最後,
彼女の昴をつかんで幸せになってほしいなあと思いました。
浅田作品の最高峰! 読み終えたときにこんなに衝撃を受けた作品は初めてでした。
続編の「珍妃の井戸」、「中原の虹」とともに、
浅田次郎作品の最高傑作と言える一作ではないでしょうか。
ご存知の方も多いと思いますが、著者のエッセイ「勇気凛々ルリの色」にも、
この本の編集者さんが登場しています(名前は伏せられていますが・・・)。
こちらもオススメです! こんなに夢中にさせてくれた作品は久し振りです。 浅田先生の作品が好きで、『地下鉄に乗って』は、原作と映画を観、
特に『壬生義士伝』においては、映画、そして渡辺謙主演の長編ドラマも観ました。
そして『蒼穹の昴』。ああ、どうしよう。気づけば4冊。読むの大変そうだな。。
そんな思いで久々に浅田作品を手に取りました。
そんな私が仕事中でも仕事をほっぽり出しても、本を読みたくなったのは初めてかも
しれません。格別に、群を抜いて面白かった。
春児、文秀、そして小説の登場人物すべての生き様が心に焼きつきました。
キャラクター、そして背景描写の素晴らしさに何度も唸らせられました。
後半が残念という意見もありますが、これだけ膨大な情報量を1本のストーリー
としてまとめられたこと自体に感服です。
登場人物が綺麗事でまとめられていると言われると、確かにそうかもしれません。
春児などは心が清らか過ぎて本当に雲の上のような存在に思え、
最初はこんな人間っているのか。と、私も抵抗を抱きました。
ただ、それは荒廃した目で物事を見ようとする心に映る一つの真実なんだろうとも思っています。
(決してそれが間違っているとは思いません)
しかし、結局、人間が心を打たれるもの、そして求め続けて止まないものとは、
そんな綺麗事とも思えるような希望であって、決してドロドロとした陰鬱なものでは無い。
どんなに心が打ちひしがれようと、ズタズタになろうとも、人間が人間として生きる為に必要なもの、
抱き続けなくてはいけないものは、春児のようなまっすぐに輝く昴の光なんだろうと思います。
『蒼穹の昴』は私の愛読書のひとつになりました。
この作品に出会えて本当に良かった。 後半が残念 浅田次郎の作品の多くには好感を持ちファンですが、この「蒼穹の昴」は前半が力強く、すばらしい出来なだけに後半の不完全燃焼が非常に残念で、結果、星は3つです。
歴史ドラマとしては、近代中国の興味深い時代を取り上げて、実在・架空の魅力的な人物を混在させ、独自の解釈と創造性を持って非常に面白いストーリー展開です。登場人物の成長や苦難を乗り越えていく様を読み進むのは、確かな手ごたえがあり、どんどん話の中に引き込まれます。
ただし、後半になると、他のリビューアーの方もコメントされていた通り、あまりに多くの人物を起用して飽和状態になり、一つの話の大きな流れが滞ってしまいました。まるで、デッサンはしっかり出来ていたはずなのに、色を沢山塗りすぎてゴチャゴチャになった絵画のようです。もっとメインのキャラクターにしっかり光を当てて強弱をつけて話を終えて欲しかった。それが出来る力のある作家だと思いますが、思い入れが強すぎ、あれもこれも盛り込んでしてしまったのが敗因でしょうか・・・。
また、これも既に指摘されている点ですが、西太后が数多の解釈と異なり愛情豊かな女性として描かれていますが、その割に残酷な仕置きの場面が多く、いささか説得力に欠けているように感じました。
歴史物が好きな方もあまり興味のない方も前半は「科挙」「宦官」制度など、非常に興味深く読ませるので、充分楽しめると思います。後半は前半の勢いは感じられません。
時間を忘れます。 清朝末期の混乱を描いた壮大で陰鬱で、そして爽快な物語です。
一部、歴史上の人物が出てきますが、あくまでもこれはフィクション。
それでも、綿密な人物描写、混沌の社会構図。拡散した複線が一気に
加速していく速度感を行間の端々に感じることができます。
それぞれの、魅力的に描かれた人物も花を添えています。
4巻すべて一度に読破してしまうほど引き込まれました。
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[ 文庫 ]
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草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫)
・浅田 次郎
【徳間書店】
発売日: 2009-01-06
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 62円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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オー・マイ・ガアッ! (集英社文庫)
・浅田 次郎
【集英社】
発売日: 2004-11
参考価格: 800 円(税込)
販売価格: 800 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 180円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 5
いやあ、上手いわ 最初からわかっているんですよ、くさいのは。でも、結局、面白く読んで、最後は、ほろりとさせられるんですよね。しかも、今回は、氏の趣味とも言うべきラスベガスという街を主人公にしちゃってます。趣味を題材に、これだけの作品を書くんだから、やっぱ、あっぱれというべき作家さんですね。
ツキに見放された3人を軸に、それを取り巻く一風妖しい人々が繰り広げる、まあ、ドタバタものといってしまえばそれまでなんですが、とりあえず、寝る間も惜しいくらい、先が読みたくなる面白さがあります。そして、終盤に差し掛かると、なぜか、自分あるいは人間の人生や幸せとはとは一体なんだろうと考えさせられてしまう作品です。
いやあ、やっぱ、上手いわ、この人。 頭空っぽで楽しめます 最初は、アメリカに迎合する東洋人視点が鼻につくかな?といぶかしみましたが、とにかく理屈抜きの楽しさ。
頭を空っぽにしてザクザク読んでしまいました。
三分の一読んだ時点で、ラスベガスに旅立ちたくなりました! 声が聞こえてきそうな 本の中から声が聞こえてきそうな小説でした。
劇画化したら、大前剛さん、には誰が良いだろうかと、考えると楽しいです。
ぜひ、劇画化を。 ラスベガスを舞台にした大人のファンタジー ラスベガスのガイドブックもかねます.日米の文明批評を含む著者のエッセイ的要素もあり.例によって,浅田さんはサービス精神旺盛.何よりこの本を読むとラスベガスに行きたくなる.旅費込みで20万円の資金と1週間の休暇を確保して私もラスベガスに行きたい!! カジノに行つてみたくなる 明るく樂しい、輕いノリの小説。
ラスベガスのカジノでとんでもない大當たりを出してしまふのは、それぞれに過去を背負つた3人。
當りを出したスロットマシンにそれまで座つていた奴。
そいつがトイレに立つた時にスロットを廻してしまつた奴。
スロットを廻す時に金を出した奴。
さて、賞金は誰のもの?
この小説を讀んでカジノに行つてみたくならない奴はいないだらう。
少なくとも私は行つてみたくなつた。
でも、作者はかう云つてゐる。
オヤジがカジノに行く時には、オヤジ同士か一人で行くこと。
間違つても嫁はんなんかを連れて行つてはいけない。
う?む、まづは嫁はんをどうやつて瞞くらかすかが問題だな・・・
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[ 単行本 ]
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ま、いっか。
・浅田 次郎
【集英社】
発売日: 2009-02-26
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 546円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 5
絶品のエッセイ 浅田氏のエッセイ集はどれも非常に面白い。小説もいいがエッセイもかなりいい作家である。
自身の苦労話やその時勢に即した話がとても面白く描かれているため、いつも一気に読んでしまう。
本書は「男の本音」や「ふるさとと旅」、「ことばについて」など各ジャンル毎に章纏めされているがどの章も全く期待を外すことはない。また、面白いだけでなく、相応に教養も身に付くような気がする。
軽い話が多いのでリラックスしたい時にお薦め。
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[ 単行本 ]
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夕映え天使
・浅田 次郎
【新潮社】
発売日: 2008-12
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 570円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 4.5
夕映え天使 最高に面白い短編集です。
6作品すべて面白いのですが、中でも『丘の上の白い家』は超いいですよ!
絶対に読むべし!! グッとくる短編集 浅田さんは短編で読みたい作家です。
全6編。どれも終わりや旅立ちをテーマにしています。
人の心に訴えてくるものがあり、静かな感動がありました。
どんな人にも、普通の日々の中にも、特別に大切にしたいものってある。
他人からみれば些細な出来事であっても、その人にとってはかけがえのない一瞬ってあるよなぁとしみじみ。
こういうことを大事に感じれるような感性を持っている人間でありたい。
浅田さんらしくなくて意外だったのが「特別な日」。
定年を迎えたサラリーマンのお話かと思いきや・・・・意外な展開。
浅田さんらしくないカラクリだけど、物事の終わりを迎える静けさが妙に沁みます。
しっかりと文章として書かれていない部分に、本当の感動の詰まっている作品です。 浅田文学の真骨頂 やっぱり「浅田次郎は短編がいい!」ですね。
「特別な一日」の大どんでん返しには、思わず「えっ!?」と声が出てしまいました。
ある意味、浅田次郎っぽくないんですけどね... やられたあ!マジック次郎! わかってるんだけどねえ?泣かされちまうんですよ。
スーパーテクニシャン!あ?泣きつかれですよ。この年末に。
特に表題、1話目がいい。謎の中年女性に絡んだ、二人の中年男性。
おいおい爺さん、婆さんをからませるなよう!うううう・・。
涙は心の汗だそうだ。年忘れの大推薦。心静かにご一読を。
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[ 単行本 ]
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大人の実力
・浅田 次郎
【海竜社】
発売日: 2009-04
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 921円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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あやし うらめし あな かなし (双葉文庫)
・浅田 次郎
【双葉社】
発売日: 2008-09-11
参考価格: 650 円(税込)
販売価格: 650 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 8円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 3.5
ごめんなさい 著者は巻末の対談の中で、小説の三要素をあげ、その3つ目を「面白さ」としています。が、本書の7つの短編にはそれが欠けているような気がします。結末ですべてが氷解するというのが著者のパターンなのに、納得できないまま読了しました。
ということで、私にとってはハズレでした。ごめんなさい。 浅田次郎の筆力に脱帽(お勧めです) 幽霊話、因縁話である。
派手な怪談ではなく、
敗残者の哀しみとか逃れられない心の傷をくっきりと浮かび上がらせる、
地味で本格的な怪談集。
ホラー小説として読めるが、
すごーく高級で、
純文学の域に達していると思います。
押さえて、押さえた描写の中に描かれる、
一瞬の感情の放出が、
アメリカ小説のよう。
浅田次郎の筆力に脱帽。
一番のお勧めは「遠別離」。
戦争と愛情の物語。
最後の場面に涙。
一方、「客人」は男の孤独と過去の記憶に関しての傑作。
最後のシークエンスで、
主人公は「客人」を受入れるのかどうか分からない。
そこが面白いし怖い。
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[ 文庫 ]
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壬生義士伝 上 文春文庫 あ 39-2
・浅田 次郎
【文藝春秋】
発売日: 2002-09
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 5
確かに面白いのですが 明治維新前後について、様々な人の視点から語られるとても興味深い本で、読ませます。ただ、“泣かせようとする”箇所やくどい部分でつい冷めてしまい、それが残念でなりませんでした。 生き抜く苦しみ 盛岡南部藩を脱藩して新撰組に入った庶民の視点から見た幕末を描いている。
テーマはたった一点、生き抜くこと、だと感じた。
飢饉や戦のために、当時の想像を絶するほどの死の身近さを感じる。
とりわけ、命懸けの真剣での勝負や切腹の介錯をする時の気構え、
当時の飢饉の酷さ等々、死に直面する時の人間の気持ちの描写が生々しい。
人間は弱肉強食の世界に生きる動物で、心がある分、苦しみが大きい。
現代、人間は長寿になり、その分、生への真剣さが失われたが、ほんの少し前まで、
人間はこの様な世界に生き、自分達にも、その血は受け継がれている筈だ、と驚愕した。 長編では、浅田さんの本で一番好き! この本を読んで、浅田さんにはまり、40冊以上読んできましたが、長編ではこの本が一番好きで完成度も高いと思います。以下、2007年9月に「下巻」の方のレビューに書いたものを少し修正しました。
武士道=家族愛という破天荒な価値観を何と新撰組に持ち込んで読者を納得させてしまう作者の筆力に驚愕してしまう。インタビューの形を通して、吉村貫一郎の人物像を浮かび上がらせる一方で、インタビューを受けるさまざまな人の人物像+時代背景まで浮かびあがらせてしまう。それがあまりにリアルなので、ノンフィクションかと思うくらいだが、実はフィクションなのである。
また、最後の大野次郎右衛門の手紙には、国家主義批判が隠されている。人は、自分の妻子のためになら死ねるのであって、主君や国のために死ねという風潮がはびこると国は亡ぶと読める。最後をあえて漢文調にしたのは、作者のこの思いを控えめに主張することを目的としたと思われる。この主張は、「蒼穹の昴」「珍姫の井戸」「天切り松闇がたり」「日輪の遺産」「シェエラザード」にも脈々として流れている。浅田さんは自衛隊出身でもあり、そのヒューマニズムは付け焼き刃ではない力強さがある。 盛岡に帰りたい(泣) 感想に関しては皆さんと同じ。泣きました。
他の方々とは違う泣き所がもう一つ。
私の実家が盛岡なんです。
やっぱり仕事をするとなるとこんな田舎では、と考えて盛岡を離れました。
作品中にでてくる山や橋、地名、城跡、そして石を割って咲く桜(石割桜)。盛岡の方言とおせっかい過ぎるほどの(失礼)人々のやさしさ。はっきりと思い出して泣きそうになりました。非常に丁寧な描写だと思いました。
ちなみに雫石から盛岡の城下町ってかなり遠いんですよ。
幼い「みつ」が兄に付いてきたところでまた涙です。 義士 義(あるいは正義)とは何なのだろう.正義対悪の単純な二元論で満足していた幼少時代.反体制的なものあるいは滅びの美学とでも言うべきものに惹かれていた青年時代.見方を変えることで誰が振りかざす正義にも言い分があり,何が正義なのか分からなくなってしまった今日この頃.そんな私だがこの本には感動に値する義が書いてあった.
風雲急を告げる幕末,吉村貫一朗が貫いた義は多くの人が二分された倒幕でも佐幕でもなく,武士としての矜持でもなかった.藩校の助教を勤めるほどの知性と類まれなる剣術の技量という文武の才を持ちながら,生活に逼迫し家族を養うために脱藩.新撰組に加わったのは志からではなく給金が良いため.金に意地汚く,他者からは「出稼ぎ浪人」と罵られ様とひたすら家族に送金を続ける.鳥羽伏見の戦いで誰よりも勇敢に戦いながら,討ち死にを潔しとせず旧主である南部藩の屋敷に逃げ込み幼馴染に助けを求める.今一度家族に会いたいという想いを果たすためだけに.
彼が最後まで貫いた家族愛に元ずく正義.涙無しに読むことはできなかった.
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[ 単行本 ]
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中原の虹 第四巻
・浅田 次郎
【講談社】
発売日: 2007-11-06
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 880円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 5
新たなヒーローが動き出す 「蒼穹の昴」から、やっとというか、とうとうと言うべきか、ここまで辿り着いてしまった。「中原の虹」のテーマが、ここへ来てくっきりと浮かび上がった気がする。科挙制度廃止、清の滅亡を経て、それまでの中国にはいなかった新しいリーダーの誕生を描いている。袁世凱、孫文、宋教仁…、だが何と言っても張作霖だろう。とは言え、ハードカバー4冊を費やし、結局彼はまだ何もしていない(笑)。浅田先生、早く続き書いて下さ?い!宋教仁の演説シーンは、「蒼穹の昴」の李鴻章の条約締結シーンを彷彿とさせる、圧倒的な感動を呼ぶ名場面だ。彼がもっと長く生きていれば…、詮ないこととは言え、その場合の中国史を想像してしまう。 大物同士の対話が面白かったです 清王朝の終焉が非常にダイナミックに描かれていました。
大物同士の対話が面白かったです。
宋教仁と張作霖
宣統帝と西太后
袁世凱と李鴻章
とのコミュニケーションが面白かったです。
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張作霖
「どうしようもねえなんて、この世にあるものか。どうしようもなけりゃ、どうにかすりゃいいんだ。」
処世のコツというのは、いかにして義理に縛られぬかに尽きる。義理は魔物だ。どれほどの才能も努力も、義理にからめば空費されてしまう。つまり、「君を大総統にしてやった」という義理の縄を、袁(世凱)はたくみに避けた。「俺が大総統になるほかなかった」という論理、ひいては「俺がなってやった」という逆の義理を、袁世凱は孫文につきつけたことになる。
張作霖
危ねえことはたいがいにしておけ。
どだい人間がひとりでできることなんて、たかが知れているんだ。幸い俺様はいい子分に恵まれたが、おまえには誰もいやしねえだろう。だから、無理はするな。
ついに万里の長城を越えて中原の覇へ 「中原の虹」の完結編です。
中華民国が成立し、袁世凱が臨時大総統に就任した後、
政権内部に留まり、大総統となった袁世凱の独裁を防ぐため、
議院内閣制の導入を画策した人物がいたこと・・に感動!
東北三省・・馬賊を中心に、正規軍をも組み込んで100万の兵を配下に
したがえた張作霖が、いよいよ動きます。
「蒼穹の昴」以来の登場人物も描かれ、
この後に続く、満州国の建国前夜の様相等々・・
浅田さんワールド、
次回作をいまから楽しみにしています。 歴史に疎い私 全巻完結してから一気に読めば、もっともっと、この小説の醍醐味を味わえたと思う。
そう思うと、このシリーズが出る度すぐ買いすぐ読んでしまった自分が恨めしい。
2巻から3巻、3巻から4巻と、それぞれ数ヶ月の間を空けて読んだのだけど、それでもやはりこの大作には星5つの評価。
今からこの小説を読み始める人には、全巻一気に読むという選択肢があると思うと、うらやましくてしょうがない。
何年か後、「蒼穹の昴」から一気に読み直そうかと、今から考えている次第。 言葉一つひとつの構成が酔わせてくれた 蒼穹の昴を偶然手に取ってから文庫しか購入しないと決めている私をこの2年弱単行本でも早くよみたい気持にさせてくれた。歴史が得意でない人もその丁寧で丹精な無駄の無い言葉と構成で読み進むことができると思われる。1巻?順次刊行されていく中で、何度読み返したことだろう。李兄弟の再会でかなりの涙をながし、その後もうクライマックスはないかと思っていたが、自分の浅はかさが感じられる。長城を超えた勇者たちについてももっと詳しくしりたくなってしまった。
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[ 文庫 ]
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天国までの百マイル (朝日文庫)
・浅田 次郎
【朝日新聞社】
発売日: 2000-10
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・浅田 次郎
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カスタマー平均評価: 4.5
よくありがち 泣けるんですか?この話
ネットで泣けるって書いてあったので買ってみましたが
どこで?
家族愛を訴えたいのかなぁ。。。
この主人公の行動にイライラさせられました
周りに迷惑かけて 元嫁に高額な養育費を渡す
払えなくなったら相談しろよ まず元嫁に
この人の作品はもう読まないです
「一杯のかけそば」なんかで泣けた人が読むと泣けるのかなぁ・・・
私が現実的すぎるのか・・・ 現代社会で忘れられている無償の愛 現代社会で忘れられている無償の愛について真剣に考えさせられる物語だった。お母ちゃんを助けるために立ち上がった安男、安男に愛されていないと知りながらも無償の愛を注ぎ続けるマリ、内科医として最善の治療を施してきた藤本先生、100マイルの道中で知り合ったダンプの運転手たち、そしてマルコ病院の曽我医師、ひげ長などなど、本当に無償の愛情に溢れていた。貧乏だからこそお金で買えない本当に大事なものを知っているとはよく聞く話だが、お金持ちになりたいと考えて生きていると損得勘定で動いてしまい、無償の愛情のような得のないことには忙しさを理由に感心をもてなくなってしまう。この物語は今一度、無償の愛情について問う心暖まる物語であった。 応援歌物語 貧乏から成金社長へ・・・そして破産、家庭崩壊、そこから始まる様々な愛情の物語。
成金から破産という設定はよくあるものだが、私自身同じような経験をしたことがあるのでとても他人事とは思えず(破産はしてないけどね・・・)
安男の感じる様々な些細な事があまりに理解できすぎて読みながら痛々しくなってくる。
登場人物一人ひとりがとても魅力的で思慮に富み、様々な愛情を見せてくれる。
中でも兄弟誰一人見向きもしない母親の看病を夫と別れてからもなを続けていた安男の元嫁英子。
何の見返りも求めず、くすぶり男を次々と甦らせて来たマリの安男への想い。
そして、若くして夫を亡くし6畳一間のアパートから4人の子供をエリートへと育て上げた母。
「女は強し」を感じずにはいられない。
出来の良い、そして母に対して極めて薄情な3人の兄弟を憎みながら、転落した末っ子の安男は必死に母を救おうとする。
天国までの百マイル、昔のフォークソングに掛けたこの題名の道のりを、あらゆる過去と対峙し今と対峙し未来への希望を乗せて母と息子は車で駆ける。
極貧に喘ぐ母と一緒になって幸せにすることをただただ願った小林一也、安男の幸せをただただ願ったマリ、こういう自分から出る愛情に見返りを求めない人ほど世間で言うとことの「幸せ」とは縁遠くまた超越している、という現実的な一面も感じられた。
マリの家に置かれていた枯れた花のみが全てを繋いでいて、余計なものが消えている、このラストが美しい。
「人の不幸を知らぬ顔が出来る幸せ」と「恵まれない境遇だからこそ気づく幸せ」は決して相容れない。
「金持ちになって私を忘れてくれるほうが万倍も良い」と言う病床の母。
「私が生き続けてやらないと安男が立ち直れない」と言う手術前の母。
なんて逞しくなんて凛々しくなんて気高いんだろう。
この母に気持ちよくお説教された気分です。
まだ何回かは読み直すでしょう。そんな小説です。
いわゆる佳作? 浅田次郎の大ファンです。
この本をいつ読もうかと思っていましたが、「蒼穹の昴」に興味があり、「蒼穹の昴」の直後にこの本を読みました。
はっきり言って、この本は浅田次郎にとってみると、ちょっとストリーにひねりが足りない普通の小説になっていると感じます。
「蒼穹の昴」の後に読んだから、余計にそう思うのでしょうか?
親孝行のとても素敵なストーリーではあるものの、いわゆる普通の素敵なストーリーであり、浅田次郎作にしてみては、物足りないのではないでしょうか?
でも、とっても読みやすく、どんどん読めるので、短い時間に暖かい気持ちになりたいのならば、お勧めですよ。本当にお母さんを大事にしたくなります。
1つこの小説で改めて思った事!
「人を愛するということは、その人を幸せにすること」 である
という事です。
幸せにしてあげられない愛は、本当の愛ではないですよね。
やっぱり、なんやかんや言って、浅田次郎はいいことを言います。
浅田作品は、これからも読み続けますよ。。。
母は強く偉大な存在と気づかされる 妻夫木聡が出てたドラマ『ブラックジャックによろしく』の中で、
患者の為に医学界からは異端児とされている天才的な心臓外科医に執刀をお願いしに奔走する。
という一話があるのですが、ちょっとかぶりました。
両親はともにかけがえのない存在であることは間違いないですが、
やはり『母』という存在は大きいです。
この小説のお母さんも本当に強く偉大な存在であるがゆえに助かって欲しいと感情移入してしまい、本気で泣けました。
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